寒梅忌

1月26日、藤沢周平が亡くなって10年になる。
その命日を寒梅忌という。
寒風のなかに、楚々と咲く白梅が故人の人柄を偲ばせる。
愛娘の展子さんによる藤沢周平の日常生活を紹介した随筆集を読んだ。


藤沢周平 父の周辺 遠藤展子著 文藝春秋


展子さんはよほど大事に育てられたのだ。父への思慕に溢れている。
立花登シリーズの ちえ(美貌だが傲慢な娘)は、反抗期だった展子さんがモデルだった。
再婚の奥さんの人柄がいい。そのサポートがあって、藤沢作品が生まれた。
東京に住みながらいつも故郷の鶴岡を思っていた様子がうかがわれる。
僕の父は越後の出だが、いつも故郷のことを思っていたことを思い出した。
職人のようだったというのも印象的。
なんでもお醤油の人、余計な口をきかない店員の店でしか服を買わない、
散発が面倒くさくてしょうがない・・・・
僕とよく似たところがある。