魔法のことば

星野道夫の10回の講演録。アラスカの大自然、そこに暮らすイヌイットやインディアンの生活ぶり、星野道夫の自然に対峙する考え方がよく表されている。この人は基本的にやさしいひとなのだ。同じ話が何度も何度もくりかえされるのは講演録のせい。あとがき(池澤夏樹)に1篇1篇ゆっくり読んでいくと味わい深いとあるが、図書館の貸出期間に追われて慌ただしく読んでしまった。印象深かったのは
・何10万というカリブーの季節移動
イヌイットのクジラ漁 氷原が割れて海が現れる
・クジラの生態
・アラスカでは季節が躍動的に移ろう
冬至夏至 冬至から春を待つ喜び 夏至からは冬へ向かう悲しみ
僕の中では植村直己(1941-1984)と星野道夫(1952-1996)がごちゃごちゃになっていた。植村はマキンレーに冬季単独登頂のあと行方不明死。星野はカムチャッカ半島でヒグマに襲われて亡くなった。アラスカで何度もクマに遭遇し、サケを摂っているクマは人を襲わないと信じていたのに・・・。
魔法のことば 星野道夫著 文春文庫