東芝 原子力敗戦

東芝のWH(ウエスチングハウス)絡みの企業存続危機問題を追いかけて迫力のあるレポート。原発の深い闇を覗き込んだ感じがする。国策を旗印に官僚 I(現在首相秘書官)と暴走機関車といわれる東芝社員 T、粉飾決算の3人の社長と経営陣、東京電力や日立 三菱の動き・・・。原子力はやっぱりヤバイ。
巻末にある話に共感。こういう事態になったのは「サラリーマン全体主義」。滅私奉公、全社一丸で自分の仕事が見えていない。それは旧日本軍の失敗やアイヒマン(ナチ ホロコースト)にも擬える。
東芝の危機はまだ脱してはいない。潰すに潰せない。国の出資による原発事業の統合に至るかもしれない。その時は東芝の消滅。

東芝 原子力敗戦 大西康之著 文藝春秋