昨晩 NHKドキュメンタリー番組で西部邁さんの自殺の真相を再放送。
亡くなったのは昨年1月のこと。西部さんは左翼から保守に転向した説得力のある論客だった。その主張に必ずしも同調できなかったが、バックボーンの博識が凄かった。奥さんの死による喪失感と自身の病、死に際で家族に迷惑かけたくないとの思いからの自死だった。止めるに止められなかった家族の思いに涙した。
あの時はショックだった。論調の厳しさとは違いひとに優しい人だったのだ。胸にこたえた番組だった。
平和公園の中道から奥池を経て南峰コース(星ヶ丘寄りの道)を歩いてきた。里山の家(休憩所)の屋根に生えた草は猛暑に負けて枯れた。空は秋の気配を漂わせ、雑木林の蝉の鳴き声はツクツク法師とあぶらぜみが拮抗してきた。茂みにカラスウリ、タカサゴユリ、ムクゲなどが涼しげ。南峰の道筋にミツバアケビの実が大きくなってぶら下がっていた。目を転じると木にからまったアオツヅラフジの実に黒い実が混じりはじめた。ハギ類はまだ夏姿だけれど、地面に這うように伸びたネコハギに小さな花が咲いていた。2ヶ月ぶりぐらいにヒゲのおじさんに会って挨拶を交わした。コースも時間もまちまちなので滅多に出会わない。元気でよかった。蒸し暑さは相変わらずだけれど少しづつ秋の気配がしてきた。
今日の1日1絵は捥いできたツバキの実。小さなリンゴくらいの大きさになっていた。縦に半分にすると種の部分が硬くて苦労した。実の肉の部分もすごく硬い。たちまちリンゴのように茶色く酸化し始めた。これはビックリだった。
平和公園の東側は郊外の住宅地に接するエリアでいつもの里山とは趣きが違う。ユーカリ林、空気が澄んでいて見通しがきくときは御嶽山や恵那山が望める道、サンゴジュの林、高木に囲まれた空間をへてアクアタワーに至る道筋を朝 1時間ほど歩いてきた。それほど目新しいものはなかったけれど朝の光の中で植物が新鮮にみえた。道沿いにワルナスビの花、タカサゴユリ、ヒルザキツキミソウ、サルスベリ(道路脇のスキマ)などは逞しい。キョウチクト、サンゴジュ、リョウブ、クサギなども夏を謳歌しているようだ。樹々の陰に隠れてヤブミョウガが黒い実をつけていた。朝の空気は気持ちがいいけれど汗まみれになる。帰ってシャワーを浴びてから朝食。今日やるべきことは終ったような気分になる。
新聞を取りにいった時、近くに張ったクモの巣に触れてしまった。クモの巣は揺れ始めた。すると巣の中心部にじっとしていたクモが自励振動のように細かく震えはじめた。20-30秒ほど震えていたがやがて停まった。ノイズキャンセリングのように反対波を起こしてネットの揺れを沈めたのだろうか。自然の不思議。