秋の四重奏 (バーバラ・ピム著 みすず書房)

65歳前後の同じ職場で働く窓際族・男女4人の日常生活を淡々と描く。
舞台はロンドンのビジネス街。
この4人の仕事は何なのかよくわからないが、
退職しても補充がないところみるとさしたる仕事ではないらしい。
お互い無関心をよそいながら他人を観察。それぞれのやり方で人生の終幕にさしかかる。
ここに描かれた「老い」を見ると自分はこうはなりたくないとの思いがあるが、
「大きな流れとしてこういうことか」という気もする。
年をとると誰も気難しくなる。
社会との接点が少なくなっていくこの時期、気難しいのはやはりまずいなと思う。
この4人にうらやましいと思うところはない。
赤瀬側原平氏の唱える「老人力」のほうがいい。
最近しっかり「老人力」が備わってきたと自覚している。