水曜の朝、午前3時  蓮見圭一著 新潮文庫

児玉清氏、絶賛!!」の帯と題名に引かれて買ってしまった。
若くしてガンで死んだ女性翻訳家が遺書として娘に残したテープ
から語られるラブストーリー。
大阪万博の時代が舞台。当時の大阪や京都が登場して懐かしい。
御堂筋、千里、下鴨、糺の森南禅寺、京都ホテル・・・・・。
ストーリーは高橋 治の「風の盆恋歌」を連想させる。
題名と符合する箇所は1点しかない。
サイモンとガーファンクルの同名曲はバックにニュースが流れる。
これも1960年代後半の雰囲気が伝わってくる。
今夜は久しぶりにサイモンとガーファンクルを聴いてみよう。



追記:
ラブストーリーとして読ませる力を持っていることは確かだが、
少しだけ残渣というか、引っかかるところを感じた。
直美という奔放な性格の女性は、我がままなだけではないのか。
相手の男性を朝鮮人とした設定は、抵抗感(というか禁じ手ではないか)
を感じる。
成美という彼の妹の役割が今ひとつわかりにくい。
しかしいくつかのウィークポイントはあるが、全体的にストーリテリイング
としてGoodだ。