インテリジェンス 武器なき戦争

インテリジェンス 武器なき戦争 手嶋龍一 佐藤 優 幻冬舎新書


手嶋龍一:NHKワシントン支局長としてTVにたびたび登場。
あのフガフガした口調がマイナスイメージだったが、内容は的確。
注目すべき国際ジャーナリスト。以前「1991年日本の敗北」(新潮社)を読んだ。
日高義樹よりずっとシャープだ。


佐藤 優:ロシアの怪僧ラスプーチンに擬えて、外務省のラスプーチンと言われる。
鈴木宗夫に影のように寄り添う異形の男。
ノンキャリアながら外務省一のロシア通だという。
背任、偽装工作などで起訴され係争中。
情報分析能力は超一流。筆も立つ。獄中記を読みたいと思っている。


インテリジェンス:「情報」にそうルビがふられるが、諜報。
相手国の国家機密、裏舞台をさぐる活動。スパイ活動のこと。
機密情報といえど、98%は公開情報の再整理・分析すれば得られるという。
瑣末な情報を拾い集め、系統的に分析、人脈を通じての検証・・・
高い知的資質が必要。


そんな2人の対話。裏舞台のエピソードが披露されて興味深い。
ことの性格上、細部までは語られないこともあろうが、「ここから先は・・・・」となるのは残念。
対談というのは、相手をのせてしゃべらせるという面白さもあるが、
お互い褒めあうというの面があることも否めない。
日本にとって外交が生命線。諜報活動にもっと金を使う必要があろう。
まず人を育てなくてはならない。