汽車旅放浪記

汽車旅放浪記 関川夏央 新潮社
内田百輭宮脇俊三の延長線上にある関川夏央のエッセイー。
1949年生まれの団塊の世代の鉄道ファン(鉄ちゃん)。
あとがきに書いているが、鉄道という「システム」に興味と関心をもち、好意あふれる書きっぷり。
その薀蓄も並大抵ではない。
線路の幅(ゲージ)についても知識にあふれている。
日本はなぜ狭軌なのか、オリエント急行を可能にする標準軌は古代バビロン・ローマの2頭立て馬車
に由来する、京王電鉄のゲージは都電と同じ・・・・・
松本清張太宰治宮脇俊三漱石内田百輭を追いかけオッカケにも似た汽車の旅。
うらやましくも、あきれながら読み終えた。
僕は真の鉄ちゃんたりえない。
しかし、小学校時代に急行「阿蘇」で東京・大阪を往復した記憶は鮮明だ。
浜松での機関車の交換、名古屋の前は熱田、プラットフォームには大きな洗面台・・・・
阿蘇」の停車駅名は諳んじていた。