此処彼処(ここかしこ) 

此処彼処 川上弘美著 日本経済新聞社
この作家の小説は「古道具 中野商店」ほか数点しか読んでいないが、不思議な魅力を感ずる。
気になる作家のひとりである。
具体的な地名をあげて、身の周りの出来事や思い出をつづったエッセイ集である。
僕の知った地名があると、より親しみをもって読んだ。
銀座、日間賀島、学芸大学、246号、千日前、神保町、世田谷、荻窪御茶ノ水
吉祥寺、日本橋、新宿、フィレンツェ、名古屋、大手町、北海道、日進町
地名をみると、自分とその土地とのかかわりが浮かんでくる。
地名はパソコンのファイル(ホルダー)みたいだ。思い出のなにもかもが放り込まれている。


この本の奥付にはだれ某が装丁・装画となっているが、装画がどこにもない。
よくよく探したら、表紙の題字の上に小鳥がとまっている。これか?