明日への遺言

Iさんのお勧め。
一昨日の午後、三好のシネコンで見てきた。
同年輩とおぼしき観客でほぼ満席。
確かに若い人向きではないが、彼らにこそ見てもらいたい作品だった。


岡田資中将(東海軍司令官)のB級戦犯法廷でのドラマ。
名古屋市北部は軍需産業(三菱や川崎の航空機製造)があったため
空爆(絨毯爆撃で数万人の市民が殺された)をうけた。
岡田は、それを国際法で禁じた無差別攻撃にあたり犯罪だとした。
パラシュート降下し捕えられた米軍兵士を処刑した。
無差別攻撃に対する処罰だったが、それが戦争犯罪として訴えられた。
部下の行為は司令官である自分の責任であるとして部下をかばった。
彼ひとりが絞首刑となり、部下は極刑を免れた。
最悪・極限の状況の中にあったも自分を見失うことなく、
堂々と主張すべきは主張し、責任を逃げなかった。
最近、「品格」とか「良識」とか議論されている。
軍人のそれを疑っていたが、こんな人物もいたのかと感動した。
それにしても、いまの防衛省はどうなっているのだろう。


藤田まことが好演、まわりをかためた俳優たちもよかった。
スティーブ・マックイーンの息子フレッドが検察官役だった。
一目で息子だと思った。弁護士役のロバート・レッサーともども好演だった。
小泉監督はこの話をじっくり見せて感動と涙をもたらせた。