動的平衡

動的平衡 福岡伸一著 木楽舎
なかなか面白い科学読物。
内容は難しくて理解から遠いが、神秘な世界を覗き見たというのが読後感。
動的平衡を理解したことにはならないけれど、以下抜書きとメモ。

・単純化すれば、人間の身体はチクワのような中空の管にすぎない
  (食べて、消化吸収し、排泄する消化管)
 「しょせん人間糞袋」という言葉を思いおこす
・「ガッツがある」というときのガッツ(gut)は消化管のことだそうだ
・生命活動とはアミノ酸の並べ替え
 たんぱく質アミノ酸にまで分解されてから吸収される
 だから、コラーゲンを食べたからといって肌がツルツルになることはない
・生命とは機械ではない
 柔らかさ、可変性、全体としてのバランスを保つ機能を「動的な平衡状態」呼ぶ
ES細胞にしろ、クーロン技術にしろテクノロジーの内側はブラック・ボックスで
 メカニズムはわかっていない
・種の壁のこと(レオポンライガータイゴンは亜種間の人工交配)
・ミトコンドリイアDNAで母系をたどるとアフリカ人にいたる
・生命を構成している分子はプラモデルのパーツではなく、絶え間ない分解と再構成の
 ダイナミズムのなかにある
 生命とは動的な平衡状態にあるシステムである