貧困大国アメリカ2

貧困大国アメリカ2 堤 未果著 岩波新書
オバマ大統領の支持率は就任直後の69%が50%割れとなっている。
失業率も10%を超えた。
チェンジはいっこうにその成果をあらわさない。
本書はオバマ後の貧困大国を取材してその実態をレポートしている。
背景には利権にからむ企業の姿が現れてくる。
オバマといえど政治家、サポートを受けた業界・企業には弱い腰。
一流大学をめざさざる得ない若者の学資ローンが若者を苦しめている。
ここにも営利目的の企業論理がまかり通る。
支払いを先送りする「クレジットカード体質」と崩壊する社会保障
医療改革を潰しにかかる医療保険ビジネス、異常な値上げの薬価(背後には政府と
製薬会社との取引)に潰される低所得層。
テロ対策や失業にともなう犯罪増加があって刑務所が増えている。
中国やインドにアウトソーシングするより安い労働力として刑務所ビジネス。
ここにも群がる企業の姿がみえてくる。
かくして格差社会は格差が大きくなるばかり。
「チェンジ」は掛け声だけにおわるのか?
支持した若者たちは熱しやすく冷えやすい。
日本の政権交代もその後を追っているようにも見える。