セラフィーヌ

セラフィーヌ フランソワーズ・クロアレク著 山形 梓訳 未知谷
映画「セラフィーヌの庭」をなぞるように孤高の画家の一生が語れている。
セラフィーヌはパリの北40kmの古い街・サンリスの家政婦。
誰に教わるわけでなく心のままに花や樹木を描く。
その絵はなんとも不思議な力をもつ。
アンリ・ルソーらの素朴派と同じグループとみなされるけれど、まったく独立独歩。
独特の色彩。彼女の中に神が降りてくるのだそうだ。
画商ウーデに見いだされ脚光を浴びるが、経済破綻で支援が途切れる。
舞い上がって落下。絵筆を下ろして精神を病む。
制作作品は一瞬の輝きで、後半生は悲惨だった。
同時代の女性彫刻家カミーユ・クローデルを思い出す。
セラフィーヌ:1864年-1942年 クローデル:1843年-1943年