地震予知の問題

東浩紀氏が論壇時評で取り上げた上田誠也東大名誉教授の地震予知の記事を読んだ。

どうする!日本の地震予知  中央公論4月号

この論文は東日本大震災以前に発表されている。
日本の地震予測のお寒い研究体制を批判している。

世界最高の地震観測網を誇る日本で地震予測(1年以内の短期予測)の研究がされていないという現状。
地震発生のメカニズムも大事だが、地震予測は緊急課題のはず。
いつ、どこで、どの大きさかの中で「いつ」が肝心なのだ。
地殻変動観察だけでなく、地下水、ラドンなどのガス放出、地磁気・地電流の変動など観測が必要だ。
前兆現象をつかまえることにもっと注力すべき。
ギリシャの物理学者が提唱したVAN法(地電流観測)はすでにギリシャのM5.5以上の地震予知に成功しているという。
震源から放射されるシグナルのほかに、放送波の伝播異常や上層大気・電離層の異常があるらしい。

この大災害に、こういった視点からも考えていく必要がある。
予知できなかった、想定外だったという言葉を聞きたくない。