どこまで続くぬかるみぞ

東電は福島第1原発1号機のメルトダウンを認めた。
それでもなお燃料は冷却状態が保たれているから心配ないと。
「起きてほしくないことは起こらないことにする」という思考パターンのままだ。
事態は好転するどころか・・・・どこまで続くぬかるみぞ。
制御不能の状況から脱することができていない。

池澤夏樹氏の一文は僕の言いたいことを言ってくれていた。
朝日新聞のコラム「終わりと始まり」(5/11夕刊)の原発についての発言。
そのタイトルは「イデオロギーを捨てよう a×bについて再考する」。

事故と言う現象は、確率aと規模bから成り、a×bは事故の社会的な影響力を表す。
自動車事故は、aは大きいけれど、bは(あくまで、社会的にという意味で)大きくはない。
飛行機事故は、aは小さいけれど、bは数百名と言う単位で大きくなる。
でも社会全体が崩壊することはない。
原子力発電は、aは無視できるほど小さいと言われてきた(そう信じこまされてきた)。
しかしbが大きすぎる。事故が起きたときの影響があまりに大きすぎる=社会全体が崩壊する。
だから社会は原子力に頼るべきでない。