ツリーハウス

ツリーハウス 角田光代著 文藝春秋
東京・新宿で、戦後の焼け跡からはじめた中華料理屋の三代記。
貧しさから逃れるために故郷を捨て満州に出て、生き延びるために恩人も捨てて、ひたすら逃げ続けてきた祖父母。
二代目の両親やその兄弟は漫然とした流される世代。三代目も無気力。
なんとも変な家族の物語。立身出世とは対局にある生き方。デラシネだけれど、アッケラカンとしているところも。
新宿というローカルな雰囲気がよくでている。
小路 幸也の「東京バンドワゴン」の大家族を思い出すつつ読んだ。