結城紬

Gさんから文庫本サイズのカレンダーを毎年贈っていただく。Gさんがご自身でプロジュース・取材・撮影・執筆している。織物がテーマになっていて、今年のは結城紬。結城は茨城県の南西部の町。織物材料の木綿の木(ゆうのき)が地名の由来だそうだが、律令時代には絹織物が朝廷に献上されていたという歴史がある。土地柄、関東武士の質実剛健で地味好みな結城紬。江戸時代の奢侈禁止令や節約令にも、絹にもかかわらず木綿にも似た地味さ・渋さから大名や商人・町人に愛好されたそうだ。隠れた贅沢品として。紹介されている写真を見ると確かに地味で渋いが味わい深い。なかでも深いエンジの細かい縞模様は、モダンで洋服仕立てにしても良さそう。