独学でよかった

映画評論家の佐藤忠男の読書遍歴と自伝。すごい知識欲が「独学でよかった」と言わせる。「分からない小林秀雄」というところは名著と言えど相性があるのだと思った。その部分を抜書き。

小林秀雄とおなじ気質と同傾向の教養の持主の間でだけ以心伝心で通じ合えることをあたかも誰でもがそう感じるはずだと断定して書いているので、違う気質と違う教養の持主にとってはチンプンカンプンで当たり前なのだ。

「読んでみて分からないからといって自分は頭が悪いのだと悩む必要はない」とも言っている。

独学でよかった 佐藤忠男著 チクマ秀版社