福島第一原発事故 7つの謎

この本の伝えることは、福島第1原発の事故解析は終わっておらず謎だらけということ。こんな状況で原発の再稼働なんて論外だ。
僕は機械屋ではあるが、この本の機構・構造の詳細説明(専門用語も多く難しい)は理解不能だ。以前読んだ広瀬隆の本にあった原子炉周辺の複雑な配管の写真を思い浮かべた。こんな複雑な構造物を緊急事態でコントロールするのは困難だし、何がおきるかそれこそ想定すらできない。
福島第1原発では、1号機、3号機、2号機と相次いでメルトダウンを起こして格納容器を破損した。放射能を封じ込める最後の砦であるはずの格納容器(厚い炭素鋼とコンクリートに覆われている)も壊れていた。
このレポートを読めば脱原発しかない。
これがNHK出版ではなく講談社から出版されたことに、NHKの政権よりの姿勢を感じてしまう。「メルトダウン」取材班の勇気を評価したい。

福島第一原発事故 7つの謎 NHKスペシャル「メルトダウン」取材班 講談社現代新書