ハラスのいた日々

中野孝次の愛犬ハラスとの13年の生活を描いたエッセイ。僕は小さい時に十姉妹を死なせてしまい、以来動物を飼うことは自ら禁じてきた。
この物語は感動的だった。とくに志賀高原の雪の中での失踪事件、老齢期に猛犬に腹部を噛まれて瀕死状態になったこと、 著者の慟哭に心動かされた。人も動物も老いるとはたいへんなことだ。自然にそして敢然に受け入れていくよりしょうがない。

ハラスのいた日々 中野孝次文藝春秋