日本の論点

久しぶりの大前研一。なかなか読み応えがあったし、頭の整理に役立った。国内外の政治・経済に関する24のテーマに大前流の考え方が示されていた。アベノミクスは100年前のケインズ経済学(一国完結の閉鎖経済)を前提にしておりボーダーレス経済では成立しないと一刀両断。締めくくりの2015年の10大リスクが興味深かった。

2015年の10大リスク(コンサルティング会社 ユーラシア・グループ公表)
1.欧州政治の弱体化リスク
2.プーチン大統領が主導するロシアリス
3.中国経済の減速リスク
4.アメリカが金融制裁を兵器化するリスク
5.イスラム国が拡大するリスク
6.ブラジル、南ア、ナイジェリア、トルコ・・・新興国の指導者の求心力低下
7.経済活動への戦略的な国家関与→経済の自由の制約
8.中東におけるスンニ派シーア派の対立→サウジとイランの緊張
9.台湾・民進党の台頭→中国と台湾の関係悪化
10.トルコ・エルドアン大統領の強権的な政治手法

直近の東京都知事問題や英国のEU離脱への意見も聞きたかった。

日本の論点 2016〜17 大前研一著 プレジデント社