エマニュエル・トッド

この人は、ソ連崩壊、リーマンショックアラブの春、ユーロ危機を予言してきた。フランスの歴史人口学者・家族人口学者。自分のやってきたことは科学だという。人をその家族構成・家族システムや地域分布などを俯瞰して事象を見るとなぜそうなるかが見えてくるのだそうだ。それは科学的発見に近いのだそうだ。共産主義の勢力分布と外婚制共同体家族(説明は難しい)の分布が一致していることを発見。そして乳幼児の死亡率が急増したデータからソ連崩壊を予言した。英国のEU離脱の必然性、中国や中東の今後を読み解く。グローバル化はネイション意識を高める。ピケティとは違う手法だが、説得力がある。読みごたえのある一冊だった。

問題は英国ではない、EUなのだ エマニュエル・トッド著 文春新書