汝の名は スパイ、裏切り者、あるいは詐欺師

エスピオナージ(スパイ活動)の世界を描いていて興味深い。著者の造詣の深さに感心する。有名というか名をなしたスパイの人物列伝(サブタイトルにはインテリジェンス畸人伝とある)。父親が奇代の詐欺師だったジョン・ル・カレ(作家になる前は外交官でありMI5だった)、英露の二重スパイだったフィルビー、日本の情報をソ連に伝えたゾルゲ、サイバースペースの時代となってアサンジとスノーデンなどなどが紹介されている。面白かったのは、スパイの素地を作る上でパブリック・スクールが果たした役割。スパイのことをバードウォッチャーというらしいこと。なかなか面白く読んだ。感想としては5W1HのHのところをもう少し掘り下げて欲しかった。刺激を受けて早速「パナマの仕立て屋」を図書館から借りてきた。

汝の名は スパイ、裏切り者、あるいは詐欺師 手嶋龍一著 マガジンハウス