火山のふもとで

ジャーナリストの佐々木俊尚さんが著書(読む力 大全)で推薦していたことから知った。建築家 吉村順三をモデルに建築事務所の仕事や北浅間の四季が丹念に描かれた小説。僕の父は建築デザインを仕事にしていたから門前の小僧で吉村さんやフランク・ロイド・ライトの名は耳にしていた。家具のディテールまでおよぶ綿密な作業 建築は芸術であり実設計であること描いていて興味深かった。それと北浅間(奥軽井沢)の四季が美しく描かれていた。そこで繰り広げられる生活も。こういう小説もありか と感心した。憧れた世界を垣間見た思いがした。僕も建築を志そうと思ったことがあったが、デザインのセンスがないと諦めた。今考えるとデザイン力はトレーニングで得られそうだ(何人もの有名芸術家が何浪もして芸大・美大に入っている)が、その頃は思い及ばなかった。色々な想いに駆られる一冊だった。

   火山のふもとで  松屋仁之著  Kindle

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火山のふもとで