あなたに不利な証拠として (ローリー・リン・ドラモンド著 ハヤカワ・ミステリ)

警察小説というジャンルがある。
海外では、メグレ警視検屍官ケイ・スカーベッタなどを読んできた。
国内でも、横山秀夫半落ち」、今野 敏「隠蔽捜査」など優れた作品が現れてきた。
 
これは女性警官を主人公にした短編集。
重い拳銃と乾電池5個型の懐中電灯、防弾チョッキの重装備で犯人を追いかける。
刃向かう犯人を射殺したあとのざらついた感じ。
銃のある社会にあって、パトロールする女性も男性もない現場警官の緊張感。
どれも実際の現場を経験したものしか描けない描写とストーリー。
原題は、警官が犯人を逮捕するときに黙秘権があることを告知する言葉の一部。
この夏、印象深く読んだ一冊。