外交崩壊

外交崩壊 古森義久 文春文庫
6カ国協議が不調に終る。この時期たまたま読んでいた。
この本は2年前に発刊されたものの文庫化であるが、事態は今も変わらない。
サブタイトルは「中国、北朝鮮になぜ卑屈なのか」である。
戦争放棄をした日本は、外交交渉で諸外国と伍していかなければならない。
しかしいつも受身、自分から打って出ることをせず「外圧」を待つ。
対外主張のまとめは根回しを要し時間がかかる。
公式ルートよりも裏チャンネルでの意思確認が重視される。
このことは外交・内政にとどまらず、会社でも同じ。日本の基本形だ。
ODA、経済援助という貢物をさしだす朝貢外交。
貢いでも貢いでも、声高に謝罪を要求される。
中国は反日を煽る教育を止めない。日本の教科書問題を云々する前に衿を正すべきは中国自身だ。
朝日新聞や左翼ジャーナリストは、共産党への刷り込まれた恭順からそのことを指摘できない。
なんとも歯がゆい。
北朝鮮問題では、「平壌宣言」の欺瞞。日本のへりくだりは亡国宣言であり売国宣言だ。
著者は毎日新聞から産経新聞に移籍。
このひとの書くことは実証的で説得力を持つ。ながく朝日一辺倒だが、そろそろ産経にしようかと思わせる。
日本外交頼りにならず。ヒル次官補がんばれ! 嗚呼情けない。