下流志向

下流志向 内田 樹著 講談社
著者は最近、小林秀雄賞を受賞した。
この本は,最近の風潮を説明しているということで好評だ。
僕にとっては、ちょっと相性が悪くて読み通すのに難儀した。


「これを勉強するとなんの得になるの?」という小学生の問いは、
その歳ですでに消費主体(貨幣価値主体の行動原理)として
確立しているからだと説明している。
それが学級崩壊の理由、学力低下の原因だとも。
幼少期の家庭内労働(家族の一員としての仕事)もなくなった。
僕の仕事は、板の間と縁側の雑巾がけだった。
貧しさからスタートしての上方志向の時代は遠くなりにけりだ。
豊かさからスタートして下流に流れていく時代となった。
「心の豊かさとはなにか」と問いかけられている。
英国流高等遊民とはなにか。
いろいろ考えさせられる本だった。