少年時代

あんちゃん、おやすみ 佐伯一麦著 新潮文庫
著者は現代私小説の第一人者といっていいだろう。
僕はこの作家と波長が合う。
この作品は、少年時代の情景がいきいきと描かれている。
メンコ、水面をすりきりで飛ばす石投げ、体温計の水銀・・・・
原っぱを飛びまわったこと、鉱石ラジオの感度を上げるため屋根に上って
アンテナを張ったこと・・・・などなど。
文庫化にあたり本タイトルになったが、初刊行時は「少年詩篇」だったとある。
僕には旧題のほうが好ましく思う。