アメリカ金融帝国の終焉

金融大崩壊 水野和夫著 NHK出版 生活人新書
自由経済主義は、実体経済から離れて金融経済を暴走させた。
経済は株式や債券による利益(キャピタルゲイン)で拡大した。
それもビバレッジをかける(ハイリスク・ハイリターン)ということで。
したがって転んだ時は大きなケガをするというわけだ。
このメカニズムを解き明かそうといろいろ説明をしてくれるが、
経済学にうとい僕にはいま一つピンとこない。
経済用語が多くなるとよくわからない。
(例えばファンダメンタルズと言っても具体的にはなにか?)
しかし、あのグリーンスパンがもう少し早く辞めていたら
状況は変わっていたのではないかと思う。
「100年に1度の危機」と彼がいうのは、自己弁護。
筆者は金融経済の破綻のあとの展望を述べている。
この経済危機はまだ第2段階にすぎない。
このあと第3段階として実体経済への影響がある。
その中心に自動車業界があるという。
不良債権問題がかたずいて、不況を脱するまでに5年はかかるとの見通し。
アメリカ国民がどれだけ生活水準を落とすことができるかにかかる。
オバマ新政権に希望をたくすわけだが、前途は厳しい。