カエサルとアウグストゥス

梅雨のこの時期に打ってつけの読み物、塩野七生まれのローマ人の物語
カエサルが暗殺され混乱のなかから、若きオクタビアヌスが皇帝・アウグストゥスに変貌してゆく。
布石はカエサルが打ってあった帝政だが、オクタビアヌスは慎重にことをすすめる。
登場人物がいきいきしていることに感心してしまう。
暗殺の3月5日からは一日一日のできごと、人々の心の動きまでが鮮明に描かれる。
キケロやブルータス、カシウスの動揺のさま。アントニウスクレオパトラの野望。
カエサルアウグストゥスの比較論などなど、興味はつきない。
2000年も前のことだが、現代社会のよう。
いまの日本の政治状況よりもずっとレベルが高いように思う。ああ情けない。