出星前夜

出星前夜 飯嶋和一著 小学館
島原半島の松倉藩はキリスト教弾圧を口実に領民を弾圧・搾取する苛政にあった。
飢饉の中、傷寒(今でいう新型ウイルス)で子供たちが多く死んでゆく。
寿安は若衆をまとめて教会堂跡の森に集結し反抗した。
庄屋鬼塚甚右衛門はキリシタンに戻り、圧政に抗議し島原城を攻める。
おりしもジェロニモ四郎(天草四郎)が蜂起し島原・天草一帯は大混乱に突入。
原城址での4カ月に及ぶ兵糧攻めで幕府討伐軍がなんとか攻防戦を終止させる。
寿安は混乱の虚しさから離脱して医業に向かう。
圧倒的な内容の歴史小説だった。
第35回大佛次郎賞(2008年)を受賞している。