ぼくは猟師になった

ぼくは猟師になった 千松信也著 リトルモア
仲間からのメールにジビエ料理の話があって、そのあたりの事情を知ろうと読み始めた。
子供のころの動物好きが高じて狩猟に憧れた著者は京大生時代にワナ猟の師匠に出会う。
サラリーマン道ではなく、けもの道に入ってしまう。
京都市外の山中の借家に住まい、裏山にワナを仕掛けてシカやイノシシをつかまえる猟師生活。
ワナの図解、とどめのさし方、血抜き、精肉、料理法、皮のなめし方まで詳細に紹介している。
残虐な場面や惨たらしい場面があるけれど、この若者の暮らしぶりに引きつけられる。
現代社会とのギャップがすごい。
獲物は徹底的に食べてしまう。その徹底ぶりはユーモラスでさえある。
この人にあっては、動物は食われるために存在するみたいだ。
カモやスズメの網猟の紹介も面白かった。
動物愛護家からみたら、なんという野蛮な人物ということだろう。
野太さと自然に対するまっすぐな姿勢に好感。