思い出袋

思い出袋 鶴見俊輔著 岩波新書
著者のことは、哲学者・べ平連・進歩的知識人ということぐらいしか知らない。
僕は祖父と過ごす時間が多かったので、老人の話を聴くのはそれほど苦にならない。
80歳から7年かけて書いた自分史あるいは記憶の断片集。もうろく帖と自ら言っているが・・・・。
その老人性からか同じことが繰り返し語られる。
この人の幅広い分野の読書量とその記憶力には驚くばかり。
国家とか権威にとらわれずに、個人主義と「自分の頭で考える」に徹した生き方。
めぐりあった多くの人たちとの思い出や若き日の不良少年時代を語る。
この人のおしゃべりを聴いているようだ。
人生を振り返るということはこういうことなのか。