沖で待つ

沖で待つ 絲山秋子著 文春文庫
題名につられて手にした。タイトルの短編小説は芥川賞受賞作品。
女性総合職の主人公が同期入社の男子社員と同じ赴任地で過ごした日々を懐かしむ。
女性総合職の仕事ぶりとサバサバした男女の付き合いが現代的。
一方が死んだら相手のパソコンのハードディスクを壊そうと約束し、彼は突然死んでしまう。
残された主人公は彼の部屋にあったパソコンを分解しハードディスクを壊す。
パソコンの中に自分の分身が残るというのは奇妙な感じがする。
題名はその男子社員の残した詩の一節だった。

 俺は沖で待つ
 小さな船でおまえがやって来るのを
 俺は大船だ
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