沈みゆく大国アメリカ

アメリカ版・国民皆保険と言われる「オバマケア」。その実態は酷いものだ。アメリカ国民のほとんどは複雑に入り組んだ医療保険システムを理解していない。著者はその内容を説明してくれるが、僕にも複雑すぎてさっぱり理解できない。
医療をビジネスとしたため、医産複合体(製薬会社+保険会社+ウォール街)の餌食になってしまった。「1%の超・富裕層」と「大部分の貧困層」に2極分化してしまったアメリカ社会。税金で補填される仕組み。それは業界と政府の癒着からはじまる。業界の人間が政府の中に入り込み都合の良い仕組みを作り上げる。政府と業界の間を頻繁に出入りさせる「回転ドア」。ロビイストの暗躍。石油、農業、食、教育、金融どれも同じパターン。巨大企業が利益を独り占めする。
アメリカに追従していると日本もやがてそうなるという警鐘だ。

沈みゆく大国アメリカ 堤 未果著 集英社新書