貧困へのスパイラル

貧困大国アメリカ 堤 未果著 岩波新書

国がやるべき事業(教育、医療、暮らしなど公共事業)を民営化することの意味。
市場原理にまかせるとどこに向かうのかをレポートしている。
貧困ビジネスというハゲタカがまう、弱者はのたれ死ぬしかない弱肉強食の世界となる。
マイノリティで破産した貧困層をターゲットに勧誘する軍、健康保険にかかれない層が
ますます貧困になっていく。
貧困層を集めて戦争請負業で稼ぎまくる戦争ビジネス。
自己責任という一見もっともらしい考え方には、貧困へのスパイラルがひそむ。
「アメリカはすばらしい。アメリカン・ドリーム」と思ってはいけない。
セーフティネットが機能しない。
繁栄の裏側には、すさまじい貧困がへばりついている。
日本は、こんな国の後追いをしていていいのだろうか。
国としてやるべきことは国がやる。共同体意識がなくてなんの国家ぞ。
この本は、警鐘をならしている。