デザインのめざめ

デザイナーの原 研哉の30編の短いエッセイーを集めた本。デザイナーはガーデナー(庭師)が植物に敬意を払うように、デザインの庭を掃いたり、実を拾ったり、考えたりする。デザインに対する立ち位置を明快に語ってくれる。その視点はユニークでハットする。いくつかの抜き書き。
・トイレの便器にリアルなハエのイラスト=清潔なトイレの記号(自信)であり、狙いをはずさせないための標的でもある。
・傘は建築なのだ
・白という色彩は刷新性、気品、現代性、よき背景性をもつ。最良の清潔感を演出する。白は維持するのが大変だが、それだけにお客をもてなす心意気をびしっと伝えられる。
・マカロニの穴は合理的なデザイン
・四角に巻かれたトイレットペーパー=丸のようにスルスルと必要以上には出ない(省資源)うえ運搬やストックに無駄がない。

デザインのめざめ 原 研哉著 河出文庫