石油の埋蔵量

石油の埋蔵量はそのとき時の状況によって変化するらしい。著者は商社で石油ビジネスに40数年にわたって携わってきた。LNG、シェール革命、石油埋蔵量など知らなかったことがたくさん紹介されている。まさに目から鱗。LNGは欧州や北アメリカではパイプラインが張り巡らされいるのに、日本は産地で液化したうえ消費地で気化させる方法でしか運べない。シェールガスもそう簡単に日本のエネルギー事情に貢献してくれるわけでもない。石油開発は千三と言われているほどリスクが高く莫大な資金を要すること。OPECの戦略。先物取引などなど、エネルギー問題の複雑さがわかってくる。石油のことを何も知らなかったと痛感した。もう一度読み直しを必要とする本だ。

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? 岩瀬 昇著 文春新書