私の息子はサルだった

佐野洋子のエッセイはいつもその威勢の良さに圧倒されていた。今回の小説は遺稿として発見されたもの。ウルッとくるところが散りばめられた息子の成長記録。母親の愛がいっぱい詰まっている。遺稿となったのは、あとがきに息子が「頼むからもう自分のことは描かないでくれ」と怒ったので出版しなかったのだろうと書いている。心洗われる一編。

私の息子はサルだった 佐野洋子著 新潮社