自殺の少ない町にはそれなりの理由(わけ)があった

生き心地の良い町(自殺の少ない町)にはそれなりの理由(わけ)があった。
その町は雰囲気が違っていた。住民の意識が違っていた。
・いろんな人がいてもよい、いろんな人がいた方がよい
・人物本位主義をつらぬく
・どうせ自分なんて、と考えない
・「病」は市に出せ
・ゆるやかにつながる
徳島県海部町(現海陽町)がその町。近隣の町との比較調査(アンケート・インタビュー)と独特のデータ処理から理由(わけ)が浮かび上がってきた。歴史的な町のでき方や地形なども左右するが、そうなったのは住民にとっての損得勘定だったというのが面白い。
キーワードとして面白かったのは、
・野暮なことはしない
・一度はこらえたれ
・賢い人(世事に通じている 機を見るに敏 合理的 深入りしない・・・)が多い
・町のサロン機能
こんな町もあるのだと感心した。著者の着眼の良さと熱意(とくに統計処理)にほだされた。

生き心地の良い町 岡 檀著 講談社