物流ビジネス最前線

僕はヤマト運輸の宅配車の企画に携わっていたので、物流ビジネスに強い関心を持っている。いまや物流は経済全体の中での存在感が大きいし、日常生活に欠かせない。宅配便はヤマトと佐川で約80%のシェアで、JP(日本郵便)が追いかける構図。過当競争のなか問題点も出てきている。セールスドライバーの長時間労働とかドライバーの人手不足とか。ラストマイルといわれる個人の配達先への非効率が課題だ。再配達率が20%近くあるという。宅配ボックスとかコンビニ受け取りとか改善が図られているが・・・。通販ビジネスの送料無料と当日配送も相当に無理をしているように思う。佐川は Amazon の配送ビジネスから撤退した。
高齢社会では買い物難民が多くなる。このスーパーと組んだ宅配ビジネスがひとつの解決糸口となるが、まだまだ課題は多い。まとめて配送する生協宅配のシステムは参考にすべきだと思う。いずれにしても物流ビジネスを注視していきたい。
AmazonGoogleが試行錯誤しているドローン配送や自動運転も、物流ビジネスの延長線上にあるがまだまだの感じがしている。
この本はなかなか刺激的だったが、その前に読んだ「仁義なき宅配」の方が迫力があった。

物流ビジネス最前線 齊藤 実著 光文社新書