観光立国の正体

地方創生、ふるさと納税など地方が話題になっている。日本を元気にする切り札として観光立国に期待が集まる。インバウンドで観光地で外国人観光客を多く見かける。この現象は観光産業がうまく機能してるということなのか? そんな疑問から手にした本。
藻谷浩介は「デフレの正体」で鋭い分析を見せた(日本のピケティみたいだ思っている)。山田圭一郎はツェルマット(スイス・アルプス)在住の観光カリスマ。全国各地の観光事業のコンサルティングをつとめる。色々な事例が紹介されご両人によって分析両断。スイスの事例に比べるとまだまだだ。
弟子屈町、飛騨古川、富山県などのうまく言っている事例。熱海、志賀高原、白馬、長崎市など目を覆いたくなる事例。ポイントはマーケティング・センスにある。それと本当にいいものを地消地産で提供すること、富裕層狙い、「おもてなし」感覚の履き違えなどなど、興味深い指摘がぞろぞろ。真の観光立国足らんとするには可能性はすごく高いがまだまだ道は遠い。頭の固い行政に任せにはできない。刺激的な一冊だった。

観光立国の正体 藻谷浩介 山田圭一郎著 新潮新書