ANA機 胴体着陸

60名の乗客・乗員は肝を冷やしたことだろう。
幸い機長の冷静な行動と関係者の連携プレーで胴体着陸を無事やりとげた。
そのことは賞賛されることだが、原因系はお粗末な気がする。
離着陸(とくに着陸)に使用する車輪は、一瞬にその全員の生命がかかる。
重要保安部品のはずだが、飛ぶという機能の周辺技術ということで低く見られてはいないか。
機械屋からみると、耐衝撃性とかタイヤ性能、車軸強度、リンク機構、制御系などは
ハイテクが駆使されているだろうが、
油圧装置やフェールセーフ系は取り残された技術領域になってはいないかと危惧する。
信頼性の確保にあたり、設計者は隅から隅まで納得した設計をしているだろうか。
メンテナンス担当者は少しの異常にも敏感に反応しているだろうか。
一番難しいのは緊張感の維持にあると思う。
気のゆるみを排除するシステムとはなんだろう。
車輪の特殊性を思う。
機体を何かでホールドしないと実際に格納装置の操作確認ができない。
操作確認が目で見る管理になっているだろうか。
この事故は、技術者として考えさせることが多い。
「信頼は細部に宿る」というではないか。