晩夏の里山

さしもの猛暑も峠を越えて、八竜湿地は猛烈な夏草の勢いが影をひそめた。
秋のとばぐちにあるという風情だ。
群生するアブラガヤの穂先は黄土色に変わり、
ニッポンイヌノヒゲも茶色の頭をもたれている。
草むらのなかに、清楚な白い花をつけているのはサワヒヨドリ
吾亦紅は暗い赤色の花穂で、我の存在を主張しているよう。
シオカラトンボが、夏の名残りを惜しむように羽根を休めている。
残念なことに、シラタマホシクサは7月の日照不足のためか
開花が遅れているとのことだ。