2つの展覧会


この土日、東京ですごした。雨だったので2つの展覧会を楽しんだ。
ヴェネツィアとオランダ、南と北、明と暗の対称。共通するのは光。
 ヴェネツィア絵画のきらめき Bunkamura ザ・ミュージアム
 フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画 国立新美術館
ヴェネツィアの16世紀から18世紀は、東西貿易で繁栄した。
その頃の絵画は光り輝き、上流階級の生活ぶりがうかがえる。
景観画は水の都の繁栄を伝える。精密な遠近法と光の使い方がすばらしい。
人物画は色彩豊かでいかにもイタリアらしい。
一方、オランダも航海時代(17世紀から19世紀)の栄華を背景に
市民や農民の生活が描かれている。
暗い色調の中に光をうまく演出している。
北の寒くて暗い土地柄、ヴェネツィアとは対称的なトーンである。
風俗画は、自堕落な生活に風刺をきかせている。
南の開放的な性格とは異にする暗い陰湿さを感じる。
「牛乳を注ぐ女」は精緻な構図と光のコントラストは、見るものの目を
注がれる牛乳の流れに導いてゆく。
フィレンツェからヴェネツィア、そしてオランダへと点と線が南から北へ。
ルネッサンスの波が時代をへながら移行してゆく。
絵画の流れは自然主義印象派へと流れ込んでゆく。