フェラーリから鉄瓶まで

奥山清行氏の講演会(11/3 @名古屋芸術大学)に出かけた。
ピニンファリーナ社デザインディレクターなど華麗な経歴をもつカーデザイナーである。
少々軽々しさ(必要もないサングラスを頭にのせて登場)が漂うが、エネルギッシュな風貌。
氏のデザインへの考え方、「一流」を張るということの実践を語ってくれた。
よいと思ったところを紹介すると、
・手のもつ力
 スケッチを繰り返すということは、手と頭の中にある自分との会話。
 ふと描いたラインに、もうひとつ別な頭脳が反応する。
 偶然性、ブレーンストーミングアウフヘーベン
 手で試作品をつくる。手でなでて面を確認する。
・客観性をもつために
 アイディアを紙に描く→一旦忘れる→後日、壁に貼って見る。
 一呼吸おく→ひとに話す
・デザインはマネージメント(デザインディレクターとして)
 人を管理するな。仕事を管理せよ。
 デザインとしての独立採算。
 切り込み隊長であり、プレーイングマネージャー。
 言葉が大切。
 最終判断は素人のトップだ。いかにモノを決めやすく情報を伝えるかがポイント。
・moon shot 不可能への挑戦


ほかにも有意義な話が多々。アグレッシブなひとだ。
作品にいたるまでのプロセス、膨大なスケッチが紹介されていて、氏の実力を知った。
デザインそのものは、僕の好みのテーストではない。
少々、厚ぼったい・ヴォリューム感がありすぎるように感ずる。
これからの山形発のデザインに期待したい。