ジャガイモ 万歳!

ジャガイモのきた道 山本紀夫著 岩波新書
僕はサツマイモは大嫌いだが、ジャガイモは大好きだ。
サツマイモには悪いけれど、戦後の食糧難の時代のイメージがついて回るのだ。
ジャガイモは僕にとって明るいイメージなのだ。
いくつかのジャガイモ料理も知っている。
この本は「人間の歴史のなかでジャガイモの果たした役割」を書いている。
ジャガイモの歴史はすごい。
「米・麦・トーモロコシの穀物農耕こそ文明の原動力だ。イモから文明は生まれない」
と蔑まれていたが、著者は反論している。
インカ文明はトーモロコシではなくイモが生んだと主張し、現地調査でそれを明らかにした。
アンデスからヨーロッパに伝えられたジャガイモは、その地に定着して主食になっていく。
ゴッホの「ジャガイモを食べる人たち」。
アイルランドでの大飢饉はジャガイモに頼りすぎたこと。産業革命を支えたジャガイモ・・・・・。
英国のポテト&チップスはそのときの名残。
興味の尽きないエピソードがいっぱい。
日本でのジャガイモ事情もおもしろい。
高野長英は「救荒二物考」で飢饉対策にジャガイモ栽培を提案した。
カレーライスとジャガイモ、肉じゃが、コロッケ・・・・明治末期に定着。
「今日もコロッケ、明日もコロッケ」は大正時代。
くしくも、2008年は国際ポテト年なのだ。
食料自給率の高い国は、ジャガイモ生産国の上位であるというのも興味深い。
ジャガイモ、万歳!