ティカルからの警鐘

ティカルはグアテマラの神殿都市。マヤ文明世界遺産だ。
以下、TV番組「世界遺産」のレポートによる。
熱帯のジャングルの中に忽然と林立する高層ビルを思わせる。
石積みのピラミッドは51m。
300年から900年に繁栄した都市国家が突然衰退して消えた。
その様子はまさに現代社会が直面している状況に酷似している。
熱帯雨林にあるその都市は雨季の水を集めて蓄える技術とシステムを
もっていた。ローマの都市とは違う形で。
その水が都市生活を支えていたのだが、その基幹技術が漆喰。
貯水池の底は漆喰で防水された。建築物は石積みでも高層が可能になった。
権力は都市の巨大化を望み、都市への人口集中がすすんだ。
その建設に大量の漆喰を必要とし、石灰岩焼成のために熱帯雨林が伐採された。
自然のバランスを崩して、都市は自滅した。
自然は再生し、遺跡がジャングルの海に浮かぶことになった。
都市化が破滅に向かう。今のドバイの姿は、もう末期が近いことを思わせる。
砂漠の海に、近代都市の遺跡が残る。