平成海防論

平成海防論 富坂 聰著 新潮社
日本は海に囲まれた海洋国家だ。
囲まれた海は平和の海と思っていた。
この本を読むと海に対する認識を欠いていたことを痛感する。
尖閣諸島東シナ海のガス田をめぐる中国とのかけひき。
エネルギー、資源の争奪戦。
中国の強引なやり方が見えてくる。
日本は中国に押されっぱなしだ。
調査捕鯨シーシェパードの執拗な妨害)、ソマリア沖の海賊、北朝鮮の不審船など、
海をめぐるかけひきはすさまじいが、日本の弱腰・無策が際立つ。
中国の海軍増強、空母計画も不気味だ。
領土を守る、シーレーンを確保する、隙を見せないための法律の整備が必要だ。
よその国を支援する以前にやるべきことがある。
著者は、海で起こる変化は数年後に地上で起こる問題の前兆ととらえて警鐘を鳴らす。