小出裕章さんの言い分

放射能汚染の現実を超えて 小出裕章河出書房新社

原発運動に放射能汚染の食糧の問題を持ち込む。
汚染の基準を厳しくして輸入禁止・販売禁止にすることが正しいのか?
基準を超えた食糧はどこへいくのかを考えよとの指摘である。
汚染食糧の基準値を厳しくすると、結局は飢餓の人たちにまわることになる。
そのことを想像せよと。原発は人間の差別につながっていく。
飢餓にあえぐ人たちは、原発とは関わりのない(利便を得ていない)人たちなのだ。
だから原発保有国の人たちこそ汚染食糧を食していく道をとるべきだ。
それが小出裕章さんの言い分。
その意見に怯んでしまう。確かにその通りだけれど、そんなにピュアになれるかなあ。
正しいことは正しいのだけれど、博愛主義と現実のギャップを感ぜざるをえない。
すすんで汚染食糧を食べることはできない。
僕にはどうしたらいいのかわからない。

この本は1991年に発行されている。福島原発事故後に復刻された。
放射能汚染は現実の問題になってしまった。